総合トップ 第2回 JMIP取得機関から学ぶ訪日外国人患者対応の基礎<資料配布・録画視聴用>

第2回 JMIP取得機関から学ぶ訪日外国人患者対応の基礎<資料配布・録画視聴用>

セミナーにお申込みいただき、ありがとうございます。


当日の資料は以下よりダウンロードいただけます。

 

【動画視聴にあたってのご注意事項】
セミナー開催(2022/11/22)時点での情報であることをご理解の上、ご活用をお願い致します。

 

Q&A(当日)

当日、チャットで展開された質問に対し、登壇者の先生方にテキストでご回答いただいた内容になります。

外国人患者さんには点数を3倍にしている、と訊いておりました。通訳料金を賄う意味だとおもっておりましたが、どうなのでしょうか?
<回答者:国立国際医療研究センター国際診療部 日野原千速先生>
医療渡航は診療報酬の3倍、旅行者等は2倍としております。通訳の費用以外だけでなく、診 療・ケアに時間がかかること、事務手続き(医療滞在ビザの対応など)など、健康保険を持った方とは異なる対応を含めての費用として、設定しております。
ただし、健康保険を持った方については、通訳も必要で、診療時間もかかることなどありますが、通訳費など診療報酬以外はいただいておりません。
日野原先生、海老原様、それぞれ立場が異なるお二人に伺いたいです。JMIP取得後に業務の負担軽減は感じられましたか?取得前と取得後で10段階でいうとどのくらい変化があったでしょうか。また、それにともなう準備も大変だと思いますが、金銭面、負担感でペイできるものでしょうか。
<回答者:国立国際医療研究センター 国際診療部 日野原千速先生>
>負担軽減:外国人担当部門としては、「外国人のことはなんでもかんでも国際診療部」ではなく、それぞれの部署で対応していただき、対応困難なことは声をかけていただく、という体制の促進には効果があると思います。ただし、体制を整えると外国人患者が増えることも予想されますので、業務が増えることも十分にあります。10段階での評価はむずかしく、すみませんが評価を控えさせていただきます。
>金銭面、負担感でペイできるものでしょうか:負担感については、JMIPが病院全体で取り組むことの一環と考えますと、負担を分散できるので、効果ありと思います。金銭的には、準備に用いた費用、時間がすぐに返ってくるとは言いがたいですので、インバウンドでの収入に頼る部分も少なくないと思います。
<回答者:相澤病院 本部経営戦略部国際課 課長 海老原功様>
初回受審の準備は正直、何も分からず大変でしたが、今は日本医療教育財団から多くの助言やサンプルを貰えます。取得後には、院内に外国人患者対応体制や対応手順が周知されますので整理整頓ができ、無理難題は減り、外国人患者の満足度はあがり、職員の負担感も軽減されます。業務負担は、仲間が増えるので少しずつ軽減し、心的負担が大きく減ると思います。
事務的な話で申し訳ないのですが、来院された患者さんについて、日本在住の場合、海外からの場合、いずれの場合であっても、受付の段階で、全員の「国籍」まで把握されているという理解でよろしいでしょうか?
また、「国籍」把握の際には、在留カードやパスポートのコピーをとったりされるのでしょうか?
<回答者:相澤病院 本部経営戦略部国際課 課長 海老原功様>
はい。診療申し込み時に、患者さんの了解を得て在留カードもしくはパスポートのコピーを取ります。訪日の方はホテルでコピーを取られているので抵抗ないかと思います。在留の方は、コピーを拒否された場合、目視で確認し情報を得ます。2~3年前、厚労省通知でに本人確認の仕方も周知されていますので参考にしていただければと思います。
時間外の救急外来受診された訪日外国人の方の場合、会計までにいつの間にか不在になるようなケースがありますが、ずっと付きっきりというわけにはいきません。時間外において何か対応をされたりされておりますでしょうか?
<回答者:国立国際医療研究センター 国際診療部 日野原千速先生>
当院でも困っていることです。人を付けるか、目を光らせるか、いずれにしても対応は十分にできておりません。クレジットカードのデポジット制度などでの対応も可能なようです(申し訳ありません、私がこの制度にあかるくなく、明言できません)
<回答者:相澤病院 本部経営戦略部 国際課課長 海老原功様>
当院では、そのようなケースが無いため実施していないのですが、夜間救急で訪日外国人は5万円などの定額の預り金を設定している病院もあります。当院でも今後、概算費用を先に預かるなどしたいと思っております。

Q&A(追加)

事後アンケートにて寄せられた質問に対する回答になります。

JMIP取得はリスクマネジメント、リスク回避として、取得している方が今後の外国人対応において、とても重要であると感じました。JMIP取得後に対策を講じていても、実際に困った点など、病院間で共有したり、認証機関と相談したり、継続したフォローアップは実践されているのでしょうか。そういった点が気になりました。今後大阪万博も控え、外国人観光客、救急搬送も増えるため、とても不安が募りました。
<回答者:日本医療教育財団 認証事業課 課長 石井雅典様>
ご質問ありがとうございます。JMIPは制度スタートアップ時、国内医療機関の多くにおいて、いまだ外国人患者受入れ体制整備のノウハウがほとんどなかった(現在も同様ですが)ことから、単なる調査・認証事業というだけではなく、「外国人患者受入れ体制を国内医療機関の皆様と一緒になって構築していく」いう姿勢を大切な基本理念としてきました。
そのため、セミナーでもご説明したように、受審病院様に向けては、通常の認証制度・認定制度ではあまり類のない、手厚い受審サポートを行っており、同様に、認証取得後も、認証病院からのご相談等に随時、対応しています。JMIPは3年に一度の更新審査を行っていますが、これは、外国人患者を取り巻く国際状況や国内環境が目まぐるしく変わっていく現状において、その状況変化に見合った受入れ体制のメインテナンスやバージョンアップが医療機関において欠かせないものと考えているためです。この更新審査の受審に向けても、当然、当財団より更新受審のための受審サポートを行いますので、各認証病院は継続的なフォローを受けられる仕組みになっています。
また、JMIPの認証病院は、国内の外国人診療の最先端を担っている病院様も多く、日々、豊富な事例を蓄積されています。これらのノウハウは、国の施策がいまだ行き届かない機微な状況での対応方法になりますので、他の認証病院にも、その貴重な知見を共有していただくことが重要になります。そのような情報共有の場として、認証病院を対象とした「情報交換会」の開催や、Web上でのリアルタイムの共有の場である「JMIPチャットルーム」などを構築しております。外国人患者対応が比較的不慣れな認証病院は、例えばチャットルームで質問を投げかけることで、いつでも、他の経験豊富な認証病院からのアドバイスを得ることができます。直近の例では、ウクライナからの避難⺠が患者さんとして来院された際の対応方法について、お困りの認証病院が質問を投げかけ、他の複数の認証病院から対応事例の共有を受けていました。以上です。その他、ご不明な点は、いつでもJMIP事務局(jmip@jme.or.jp)まで、お気軽にお問い合わせください。
訪日患者の会計のフローが今一つ分かりません。当院では、在留外国人患者はいますが、旅行等、皆保険対象外の人が全くいません。その方に対してのフローがわかりません。ご教示願いたいのですが、旅行会社等、第3者機関・身元保証機関はどのように調べるのですか?どこに連絡すればいいのですか?
<回答者:メディフォン株式会社>
訪日外国人患者さんへの対応につきましては、以下リンクの資料にて一連の流れやチェックポイントがまとまっております。
ぜひ一度ご覧ください。
訪日外国人の受診時対応チェックリスト(令和4年3月18日一部改訂)
受付で使える訪日外国人受診者対応簡易手順書(令和4年3月18日一部改訂)

なお、上記資料以外にも、訪日患者対応方法については「外国人患者受入れのための医療機関向けマニュアル」に詳しく解説がありますので、適宜、ご参照ください。
外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル

渡航診療者の身元保証機関については、以下のリストからご確認いただけます。
身元保証機関(登録医療コーディネーター等)のリスト(英語リスト)